能勢鋼材株式会社

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2006年12月20日

温泉地の木製吊橋の正体は?

今回は、国内初のステンレスの桁を採用した吊橋をご紹介いたします。
現在、橋の主要材料は鉄、鉄筋・コンクリートが主です。
橋梁は材料使用量が多くイニシャルコストの面では、ステンレス材料の採用はおよび腰となりますが、LCC(ライフサイクルコスト)の評価では必ず鉄材が優れるということにはならないようです。
やはり、適材適所。
“湯ノ沢吊り橋”は、十和田八幡平国立公園内に位置し、
冬季には4.0mもの積雪、周囲は温泉館・管理棟が位置し、湯けむり漂う情緒あるれる環境に囲まれた橋梁です。
計画では、景観面、環境面への配慮が求められたようです。

その結果、取替え、点検が困難な部材は、比較的メンテナンスフリーな材料、防食材料としてのステンレス材の使用が検討され、コストとメリットのトレードオフの関係を整理し、ステンレス材の採用が決定されました。
エイトコンサルタントの設計技術者は、相当、知恵をしぼられたんじゃないでしょうか。
現況は、床材に木材を採用し温泉地の景観を維持するように、木の吊橋をイメージされています。
ステンレス材料は、研磨などで様々な表面肌を出せる材料ですが、今回は、歩行者から見える範囲は、木材で覆われ、その点でのメリットは発揮できなかったようです。
“日経コンストラクション(2004年1月)”によれば、
「ステンレスのコストは~(中略)~普通鋼で作る場合と比べて、全体工費は約1割高くなる」
と有り、適材適所で、もっと色々な場所で、ステンレス材料のメリットを発揮できればと期待しています。
橋梁詳細(出典:日経コンストラクション2004年1月)
 名称=岩手山麓園地橋梁上部工工事
 場所=岩手県雫石町大字長山
 発注者=岩手県
 コンサルタント=エイトコンサルタント
 施工者=東綱橋梁(現場代理人:細野潤,元請けの技術者数:1人)
 主な専門工事会社=佐々重工業(架設),ピー・エム・ピー(木工事)
 工期=2003年3月~2004年1月
 工費=1億2127万円
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